赤瀬川原平の芸術原論展

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こんなにも多面体な人だったんだ、、、

赤瀬川原平という身体を通して、日本という時代を、空気を、前衛し続けた。ハイレッドセンターも千円札裁判も櫻画報も美学校も芥川小説作家トマソンもライカ同盟も老人力も。 

自身を表現するということではなく、自身を媒介として視える日本のありさまを、様々なアウトプットで軽妙に提起し続けた。老人になってからも、時代の、日本の、センサーであり続けた人のように思えた。 

ただただ凄い、、、。

大々的な回顧展は2回目だという。前回は1995年の阪神大震災の年。どんな展示だったのだろう。今回の回顧展は、ある意味、愚直な程に生真面目に、赤瀬川原平のその足どりを豊富な資料でたどっていく、そんな展示だった。赤瀬川さんの展示なら、いくらでも面白おかしく展開することも可能だったろうに、あえてそれを避けるように、淡々と。それがかえって赤瀬川原平という人の枠にはまりようがない、とんでもなさを問いかけて来ているようであった。

まるで計画してたかのように、展覧会開催前日に亡くなるなんて。


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充実の図録。一家に一冊。