松岡正剛と編集工学

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THE MIRROR展 屋根裏ブックフェアより


最初にこの人を知ったのは経営学流れで今井賢一さんや金子郁容んの「ネットワーク論」がきっかけだった。そこから「情報選択の時代」を読み、NTT出版の本を読み漁った。
その頃に、「遊学の話」の本に偶然にも出会ってしまった。JGバラード、ルイス・トマス、ジョン・ケージ、スーザン・ソンタグ、ナム・ ジュン・パイク、フリッチョフ・カプラ、ミルフォード・グレーブ、、、その頃の私には初めて聞く名前がほとんどだった。けれど、すごーく本質的な深い会話をしてることは読み取れた。あぁー、こんなふうに考えたり話ができたり触発しあえたりできるようになりたいと。
そんなふうにはまったくなれてないわけだけど、それでも私の関心分野が貪欲に広がったことは確かだ。「遊学の本」はこの人の手書きの落書きも一緒に印刷されていて、それごと何度読んだことか。だから、今回、空間中に散りばめられた文字が懐かしく感じられたのかもしれない。いつのまにか、わたしは松岡離れして、今は、すっかりアンチなのだけれど、今でもふとその世界に引きずり込まれそうになる。

チームラボの猪子さんが松岡氏のことを「一人インターネット」「Googleより遥かに面白い」と称したのは言い得て妙だ。''世界中のすべての情報を整理する''がミッションのGoogleGoogleは機械的に、松岡氏は意味的にそれを行っている。編集自体がミッションになっている、つまり目的化している。

これ松岡さんほどの博識家ならいいが、凡人がこれをやると、情報を恣意的に整理して終わってしまいそうだ。そこから新たなクリエィティブは到底生まれそうにない。凡人は、編集はあくまで道具として使うに限ると肝に銘じたい。

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