映画「プロミスト・ランド」見た
映画自体は、マット・デイモン演じるガス会社のセールスマンの葛藤を中心に、美しい田舎の風景が印象的に描かれるヒューマンなドラマだ。ただ、シェールガス採掘により、どんな環境汚染が起こるのかについては、あまり語られない。主人公の敵として現れる環境活動家おぼしき人物が、小学校の授業で触れる場面があるぐらいだ。語らずとも当たり前なぐらい欧米では問題になっているということだろうか。正直、その辺りの斬り込みはちょっと期待外れだった。
シェールガスの埋蔵量は今後数百年にわたり、世界のエネルギー需要を賄っていける可能性があるという。米国はシェールガスの取り出しについて独占的な知財権で固めており、ピンポイントで見つけ出し、堀り上げ、精製まで持ち込むすべての工法を確立。世界のシェールガスの約4割は米国にあるといわれている。米国は世界最大のエネルギー生産国になる可能性がある。まさに再び、‘プロミストランド’になろうとしている。
多少の犠牲に目をつぶってさらなる経済発展をすべきなのか、それとも過去の過ちをこれ以上繰り返すことはやめるべきなのか。その難しい問いを、この映画は静かに投げかけている。
参考:
・「シェール革命」で何が変わる? 日本への影響は?:nikkei4946(全図解ニュース解説)
・シェールガス革命で世界は激変する(上) | マーケット | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト